肺結核以外の結核の症例

薬剤耐性結核

「薬剤耐性結核」とは、薬に対する耐性をもつ結核です。薬剤耐性結核は、次の3種類に分類されます。

 

「多剤耐性結核」は、第1選択薬の2剤が効かない結核です。「超多剤耐性結核」は、ほとんどの製剤に耐性をもっている結核です。「極度多剤耐性結核」(正式に定義されていない)は、薬剤の全てに対して耐性をもっている結核です。

 

多剤耐性結核になる原因は、主に次のことが考えられます。

 

・処方された薬を完治する前に飲むのをやめたり、医師の指示に従わずに服用したりするなど、不規則な薬の服用を行った。

 

・薬剤の副作用によって、薬を使用することができなくなってしまった。

 

・診断ミスなどによって、薬がきちんと処方されなかった。

 

・薬剤耐性結核に直接感染した。

 

薬の不規則な服用は、最も防ぐことができる耐性結核の原因です。私たちは「結核」という病気に対する理解と正しい知識をもたなければなりません。

 

薬剤耐性結核は、世界的にも広まっているという報告があります。81ヶ国における結核患者9万人に対する調査では、すでに45ヶ国に超多剤耐性結核の感染が広がっているようです。また、多剤耐性結核に関しては、年間約50万人の患者が出ており、新規結核患者900万人のうち5%が多剤耐性結核であると報告されています。さらに、日本においても、薬剤耐性結核は広がりを見せています。世界でも日本国内でも、広がっている薬剤耐性結核について、これから対策を強化していく必要があるのです。