肺結核以外の結核の症例



「腸結核」について

「腸結核」は、回盲部(小腸から大腸へ移行する部分)に起こるのが典型的ですが、その他の部位も侵される可能性はあります。「クローン病」との鑑別の困難なのが問題です。クローン病とは原因不明の疾患で、主に口腔~肛門の消化管の全域に、潰瘍と炎症が非連続性で起こります。肺結核の患者に高齢者が多いのとは異なり、腸結核は30代~40代と若い人、特に女性が多くかかる病気です。

 

腸結核の症状は、腹痛が慢性的に生じたり、体重が減少したり下痢が起きたりします。肺結核の患者が、便検査を行った際に、偶然見つかることもしばしばあります。合併症として、まれに、腸閉塞や腸穿孔などが起こることもあります。

 

画像検査の所見では、患者の50%未満が活動性肺結核を伴っており、胸部レントゲン写真で確認することができます。診断の確定は、大腸内視鏡下にて生検を行い、乾酪性肉芽腫(乾酪壊死を中心とした肉芽腫)を認めたり、結核菌培養にて陽性となったりした場合です。

 

腸結核の治療は、抗結核薬を用いた化学療法が基本です。肺結核と異なり、活動性潰瘍がある場合でも、化学療法を4週間続けるだけで改善の傾向がみられます。化学療法は数種類の薬を組み合わせて進めます。副作用としては、腎障害や肝臓障害、聴力障害などがあります。腸結核は、ほとんどの場合で、外科手術の対象にはなりません。ただし、腸結核が進行する「結核性腹膜炎」を招きます。また、小結節が小腸と大腸の表面に生じて、腸閉塞を起こすことがあります。