肺結核以外の結核の症例

骨の結核

「骨の結核」は、肺から血流に入った結核菌が骨に達したり、隣接している臓器の結核から結核菌が直接到達したりして、骨をゆっくりと壊していって変形させたり、膿瘍を作り上げたりする病気です。代表的なものは、「脊椎カリエス」や「肋骨カリエス」などがあります。脊椎カリエスと診断された場合は、排菌しているかなどを検査して、周囲へ感染しないように予防する必要があります。

 

脊椎カリエスの症状は、元気がなくなって微熱が出て、背中に重苦しくどんよりとした痛みが起こります。その痛みは、特に疲れた時に強くなり、休んでいると軽くなります。脊椎を叩いてみると、一箇所痛い場所があります。患者は痛みがあるため、背中を屈伸させるのが困難になり、背中を動かしにくくなります。

 

病気が進行すると、脊椎が壊されていくので、脊椎の一部が後ろの方へ突き出します。子供の場合は、成長と共に前かがみの姿勢になります。

 

皮膚が破れてしまうと、外へ溜まった膿が出始めて止まらなくなります。そして、化膿菌が破れた所から侵入し、混合感染をすると、高い熱が出て体が衰弱し、生命に関わる危険な状態になります。また、脊髄神経まで侵されると、下半身に麻痺が起こり、大小便が流れ出てしまうようになります。

 

脊椎カリエスを悪化させないためには、定期的に診察を受けて、医師の指示に従って安静にしていましょう。食事やトイレで起き上がったり、コルセットを勝手に外したりしてはいけません。また、規則正しい生活をして、無理な行動を避け、十分な栄養を摂るように心がけましょう。